2022-06-04
THE SANKEI NEWS
新型コロナウイルス対策による外国人入国者数の上限が今月1日に緩和され、10日には外国人観光客の受け入れが再開する。再開を前に政府が行った「実証事業」で来日した外国人からはおおむね好意的な声が聞かれ、各自治体はコロナ禍で冷え込んだ経済立て直しに期待を膨らませる。マスク着用を含め、日本との感染対策の「温度差」は課題の一つだが、自治体は試行錯誤しながら受け入れ体制を整えつつある。(外崎晃彦、深津響)
「外国人観光客は日本人に比べて消費額が高く、経済効果も大きい。とにかく早い受け入れ再開を願ってきた」。日光や鬼怒川温泉などの観光地がある栃木県の担当者はこう話す。
政府は受け入れ再開に向け、先月から海外4カ国を対象とした旅行客受け入れの実証事業を実施し、国内の12県が参加。栃木県は計6コース・最長7泊8日の日程で18人の外国人を受け入れ、日光東照宮や鬼怒川温泉、華厳の滝などを案内した。
県によると、タイから参加した女性は「感染対策がしっかりしている。本国は安心して観光客を送り出せる」と評価。一方、米国の女性は「どこに行っても検温や消毒がある」とやや否定的な印象を持ったようだという。同行した県観光交流課の担当者は「マスク着用のお願いも、感染者が出たときの対応も、団体客ならば添乗員がいるから安心だ。今後、受け入れが個人旅行客にも広がった場合、どう管理するかが課題」と話した。