2022-01-11
NHK NEWSWEB
新型コロナウイルスの感染の急拡大を受けて、政府は新たな対策を取りまとめ、水際対策として行っている外国人の新規入国を原則停止している措置などを来月末まで維持するとしています。
また、ワクチンの3回目の接種について自衛隊による大規模接種会場の設置に加え、全国にある在庫や追加分も活用して高齢者や一般の人に対する接種を前倒しする方針なども盛り込みました。
これは岸田総理大臣が11日、総理大臣官邸で記者団に明らかにしたものです。
それによりますと、オミクロン株への水際対策として行っている外国人の新規入国を原則停止している措置などについて、人道上や国益上の観点から必要な対応を行いつつ、来月末まで維持するとしています。
そして、オミクロン株の特性をめぐり、専門家から感染力が高い一方、感染者の多くは軽症や無症状で、重症化率は低い可能性が高いなどの分析が報告されているとして、国民に対し、過度に恐れることなく、マスクの着用や3密の回避など冷静な対応をとるよう呼びかけています。
さらに、医療提供体制について、稼働状況の「見える化」を強化するため、まん延防止等重点措置を適用している沖縄、山口、広島で自己点検した内容を公表するとともに、そのほかの都道府県も12日に公表するとしています。
また、在宅・宿泊療養に対応する地域の医療機関の数は、全国で1万6000にのぼり、計画を3割上回る体制が準備できたとしています。
そのうえで、想定をさらに超えて感染が急拡大した地域で、病床がひっ迫するような緊急事態にならないよう、オミクロン株の患者の入退院の基準などについて科学的知見の集約を進め、対応を示すとしています。
またワクチンの追加接種について、高齢者に対しては、各都道府県による大規模接種会場の設置や、接種場所のさらなる確保などを通じてペースアップを要請し、全国にある在庫なども活用して、さらに接種を前倒しするとしています。
そして、ことし3月以降、追加で確保したモデルナのワクチンを活用し、一般の人たちへの接種も前倒しするとともに、自衛隊による大規模接種会場を設置し、自治体の取り組みを後押しするとしています。
また、オミクロン株は若年層や子どもの感染も多く見られるとして、12歳以上の人への接種を呼びかけたうえで、12歳未満の子どもは、必要な手続きを経て、希望者に対し、できるだけ早く接種を開始するとしています。
さらに、感染者数が増加すると、調整にあたる保健所や自治体の業務の負荷が重くなると指摘し、ITを活用した保健所に頼らない重層的ネットワークの整備を進めるほか、岸田総理大臣みずから、各都道府県の知事に依頼し、医療関係者とも連携してワンチームで早急に体制整備を進めるとしています。
また、保健所の体制強化を図るとともに、オミクロン株の感染が急拡大した地域では、積極的疫学調査の重点化やゲノム解析などのサーベイランス・監視体制への転換など科学的根拠に基づいて、業務を効率化しながら、必要な即応体制を確保するとしています。